―――その状態がしばらく続いた。
ゴーガンの怒りは治まるどころか、どんどん増していた。
少しだけ乱れた色素の薄い金髪から、何も変わらない、冷たいエメラルドアイがこちらを見ていた。
……見下されている。愚かな男だ。………この男は間違いなく、そう思っているのだろう。
………昔と変わらない。
こいつの、気に食わない性格も、態度も、この目も……………総隊長の…信頼も。
………気に食わない。
………俺は……こいつを…超えられない。
これからも……ずっと。
「―――どうした」
ベルトークが不意に口を開けた。
「―――目が、怯えているぞ」
「―――っ!!」
ぶち切れた。
醜い怒りを制御していた細い糸が、音を立てて切れた。
ゴーガンは空いている手を伸ばした。
―――真っ黒な煙が一瞬立ち込めたかと思うと、片刃の巨大な剣が現れた。
ゴーガンは剣の柄を握り締めた。
「―――おいおい…!?」
「―――ゴーガン隊長…!」
剣を出した時点で、これはもうただの口論では終わらない。

