亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~




トウェインが退出した後、すぐにベルトークが呼ばれた。

……ゴーガンは呼ばれなかった。戻って良い…と言われただけ。


言われるがまま、総隊長のいる部屋に入って行くベルトークの背中を睨みながら、ゴーガンは歯を食いしばった。




………またか?

………また………俺は………蚊帳の外か?







………腹が立つ。








冷血漢のベルトークも………。








……………小娘も……!!












この孤独感は何なのだろうか。



自分の息遣い、足音、鼓動しか聞こえない、寂しいこの感覚は?


…………何処ではぐれてしまった?……何処で俺は………置いて行かれたのか。







………いや………。












俺は…置いて行かれた訳ではない。










一人だけ………道を間違えたのだ。




………行き先を…変えた。



























各部隊の隊長が全員揃っての軍議が、久しぶりに行われた。


次の襲撃まで、約一ヶ月と少し。

総隊長も戦場に直々に出るのだから、かなり大きな……今までで一番血が流れる戦になるだろう。