「……………知りません。………私は…………名も無い小さな村で産まれた人間……………王族など…………何の接点もありません」
会う機会などある筈がない。
自分は貴族でも無い。ただの農民の子供。
………私を覚えていないか……だと?
………………訳が分からない。
「…………………聞きたいことはそれだけだ。…………………三年振りの………お前との会話………………実に楽しいものだった……」
澄み切った、虚ろな青い瞳が、純白の髪の間から覗いた。
………ゾッとした。
「―――――………お前に近々任務を与える。………………詳細はリンクスの口から聞け………………………………………下がれ」
低い、無感情の声。
トウェインは深く、頭を下げた。
これ以上無いと言うくらい、尊敬の意を込めて。
「―――はっ」
待ち遠しかった、尊敬する人との交わした会話。
それはとても短く、実に淡泊で何の意味も無かったが………。
トウェインの胸は喜びで高鳴っていた。

