亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

この三人は前々から親しかった。

たったの四人で構成された第4部隊。


しかし、活躍の場はなかった。
………予想はしていた。

差別され、虐げられる日々が来ることなど。













その頃からだろうか。











総隊長が、私を避ける様になったのは。













総隊長自身、ただでさえ表に出ないのに、塔内でも姿を見せなくなった。



隊長メンバーが揃っての軍議も、総隊長は不在。口伝えだけで、彼の声を聞くことは無かった。

総隊長が直に会うのは、ベルトークやゴーガン、グラッゾ、バレンだけ。

ジスカは許されなかった。














「―――………この様にまたお話することが出来たこと……嬉しく思います」

「……………そうか………………そうだな………」


椅子の端から、真っ白な髪が揺れて動いて見えた。


「…………初陣はどうだったか?………………あちらの大将と、勇ましく対峙したらしいではないか」

………思い出すだけで、今でも少し困惑する初陣でのあの対峙。

トウェインは怪訝な表情を浮かべた。


「………………敵を前にして討てずに……恥ずかしく思っております……」