………無口で、淡泊で、近寄り難く、誰からも恐れられている男の………告白だった。
しかもそれは、マリアに対する狂おしいばかりの……今までずっと秘められてきた告白だ。
マリアは恋という感情を知らない。
恋をする前に男に酷い仕打ちをされ、強姦され、子供を産んだ。
……愛情を与えることはあっても、受けたことは無かった。
しかし今、マリアは初めて他人から、何処か違う愛情を受けた。
………恋という形で。
「…………っ……」
心臓が高鳴る。
マリアの顔は更に赤くなった。自分でもどうしてこんなに動揺しているのか分からない。
…急にベルトークの顔を見れなくなった。
………何故だろう。
恥ずかしくて仕方無い。
ベルトークの方も、その間口を閉ざしていた。
しかし、視線をマリアから背けようとしない。
「………貴女は……人だ。…………化け物などではない………………私は………………!」
その途端、ベルトークはマリアの細い首に唇を落とした。
ざらりとした舌が首筋を舐め上げた。
「―――はっ………や……」
びくんとマリアの身体が震えた。
心地よい痺れが全身に行き渡る。

