「―――このっ…!!」
……気持ち悪い!
振り払おうとするが、もがけばもがくほど絡み付く。
見兼ねた仲間の一人が、剣を下げて近寄って来た。
「おい………!なんとかしろよ!………クソッ………離れねえ…」
「下手な切り方をするからだ………あんまり動くなよ。今すぐ………」
………声が途切れた。その途端、苦笑する仲間の顔が………硬直した。
彼の視線は、自分を通り越したその先…。
「―――…どうした?…何か……」
―――ぱっと前に向き直る。
―――今目に映る風景は、今まであった密林の景色では無かった。
真っ黒。
視界いっぱいに広がるのは…………丸い、牙が隙間無く並ぶ………口だ。
血の臭いがする。腐臭が溢れている。
―――ああ。
―――醜い
―――………一瞬で、血腥い闇に包まれた。
目の前が真っ暗になった時、何も考えられなくなった。
どんなに目を凝らしても、何も見えなかった。
……気持ち悪い!
振り払おうとするが、もがけばもがくほど絡み付く。
見兼ねた仲間の一人が、剣を下げて近寄って来た。
「おい………!なんとかしろよ!………クソッ………離れねえ…」
「下手な切り方をするからだ………あんまり動くなよ。今すぐ………」
………声が途切れた。その途端、苦笑する仲間の顔が………硬直した。
彼の視線は、自分を通り越したその先…。
「―――…どうした?…何か……」
―――ぱっと前に向き直る。
―――今目に映る風景は、今まであった密林の景色では無かった。
真っ黒。
視界いっぱいに広がるのは…………丸い、牙が隙間無く並ぶ………口だ。
血の臭いがする。腐臭が溢れている。
―――ああ。
―――醜い
―――………一瞬で、血腥い闇に包まれた。
目の前が真っ暗になった時、何も考えられなくなった。
どんなに目を凝らしても、何も見えなかった。

