衝撃が治まってからも、城のある丘は白く輝いていた。
針葉樹林が並ぶ沈黙の森。
高い木々の天辺に佇んで、その神々しいほどの光景を眺めていた。
「………予想外…の結果ですね………」
部下のベルトークが忌々しいものを見るかの様に城を睨んで言った。
「―――そうでなくては…たやすい革命など……つまらんだけだ。…………………しかし……あの様な形で…鍵を掛けられるとはな…………………やってくれる」
「………あの魔力は計り知れません。………どうすることも……」
クライブはにやりと笑った。
「………王の最後の言葉を聞いただろう?………あれも、永遠ではないのだ。……………時は来る。それまでの辛抱だ……」
二人のすぐ隣りの木々に、何処からともなくゴーガンが“闇溶け”で現れた。
ゴーガンも二人と同様、見えない力によって城から放り出されたらしい。
「………畜生…何だってんだ!ガキとじじいは逃がすし、吹き飛ばされるし………一体何が……」
「―――革命の日が延びただけだ。…………二人共、一旦退くぞ。生きている部下達を連れてここから離れろ」
クライブは輝く城を一瞥し、すぐに“闇溶け”をして姿を消した。

