亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

元老院らと母が何やら静かに話していた。

ローアンはルアをそっと撫でた。

なんだかルアの様子がおかしい。
ここに来てからずっとふらふらしている。

(………魔法を使ったからね…)

ルアはまだ若い。
いくら聖獣といえども、使い慣れていない魔法を、しかも時を止めるなどという高度な魔法を使ったのだ。

魔力の消費が激しく、身体がついていけていないのだ。

ルアはペタリと座り込んでしまった。

「……ルア…大丈夫?無理しないで……」

ローアンが寄り添って背中を撫でていた。















その時だった。














謁見の間の巨大な扉の向こうから、雷鳴のごとき大音量が響いた。






扉がガタガタと小刻みに揺れた。






その場の空気が堪え難い緊張でピリピリと張り詰めた。

全員が息を呑む。














「………荒々しい」

「………反逆など……何千年振りであろうか」

「………これも………宿命かのぉ……」










扉と床の僅かな隙間から、砂埃が吹き出た。


つー…と真っ赤な血が流れてきた。

大臣らはどよめきたち、騎士団の兵士達の後へ移動した。



―――来る。