亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

カルレットは三人の元老院を見下ろした。

「………逃げ道は何処も封鎖されているのですね…」

三人の元老院がゆっくりと呟く。


「………隠し扉も時既に遅し」

「…通じる廊下も敵の手に」

「……地下も石を積まれております…」


まるで実際に見て来たかの様に淡々と答える老人達。


「……もはや背水の陣……切り札である王の魔力でもどうにもなりますまい」

「……話の通じる相手ではない」

「……城は……落ちますな…」


不敵な笑みを浮かべる元老院ら。

黙って聞いていた大臣の一人が、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、声を荒げて怒鳴った。


「先程から………無礼ではないか!!……策が無いだと!その様な言動を二度と…」

「お静かに」

カルレットは一声で制した。
そして元老院に再度向き直った。



「………城を落とす訳にはいきません。………どんな手を使ってでも………守らなければ……………………一つも無い訳では無いでしょう………これまで………城を守り続けてきた貴方方なら……ある筈です」

三人の元老院は揃って妖しい笑い声をあげた。


「………一つも無い訳ではありませんが……」

「……本に残念な事に………」

「………一つだけ」