亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

「―――キーツ様!?」

反対側の扉へ駆けた。肉片だらけの血の海を跳び越え、アレクセイの声を無視してキーツは広間から姿を消した。


アレクセイは追いかけようとしたが、それよりもまずオーウェンをどうにかしなければならない。

大きなオーウェンの身体を支え、正面の扉へ急いだ。










「―――リネット様!」

「リネット様、よくぞご無事で!」


何重もの兵士が配置された廊下を通り、謁見の間に入ると、そこに勢揃いしていた大臣らが迎えてきた。

奥の玉座には、カルレットの姿も見えた。


「―――お母様………!」

リネットはそのまま高い玉座の階段を昇って、母の元へ駆け寄った。


「リネット……無事だったのですね…」

「お母様………エルシアお姉様が………」

不安を隠し切れないリネットの声。
カルレットの顔から安堵の色が消えた。


「………エルシアはどうしたの…?」

「………広間へ行くと言って………独りで………………しばらく待っていたのだけれど………お戻りにならないの……」



―――………一階の大広間…。





そこはつい今し方………襲撃があったと報告が来た場所だ。






―――――エルシアは……。