「………国家騎士団の中で………反逆…」
長い長い一本の廊下の先の、城の最奥。
輝かしい栄華を象徴する謁見の間の玉座。
―――女王カルレットは肘掛けを掴み、わなわなと震えていた。
長女エルシアの晴れの舞台である日だが、今朝から大臣らを召集し、式が始まるぎりぎりまで会議を開いていた。
老いた賢い元老院もこの日、入城していた。
会議での論議の的は、今まで無かった…否、避けられてきたものだった。
「………王よ…今なんと…」
カルレットは大臣達と元老院の視線が集中する中、威厳のある凛とした口調で言い放った。
「……聞こえませんでしたか?―――――国交です。………燐国二つと…」
ごくりと息を呑む音が聞こえた。
―――国交。
何十………いや……何百年振りだろうか?
好戦的な、警戒を解かない戦争大国バリアンと、野放し状態の荒野が広がる、王族が行方知らずのデイファレト。
文化も、環境も、状況も互いに異彩を放つこの大国三つ。
………接触しようなどと………誰が考えるか。
カルレットはその堅い歴史を変えたかった。

