亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~




――動かねぇ。


―――身体が重い。


―――指ってこんなに重かったか?………どうやって動かすんだっけ…。




―――ああ……やべぇ………眠たくなってきた。


―――こりゃあ寝ると………目が覚めねぇだろうな……。



―――………死ぬのか?






―――死ぬ……のか。





オーウェンの朧気な瞳は、隣りに横たわるエルシアをはっきりと映した。


………こんなに近くにいるのに……………触れることも出来ない。





………エルシア…。











………なぁ…。

















―――涙が頬を伝った。



泣いたのは……何年ぶりだろうか。









………なぁエルシア……もう一度呼んでくれよ。










……俺を………オーウェンって………。









………声が聞きたいのにな…。














………エルシア。






………………お前の花嫁姿………見れなかったな……。













………見たかったなぁ……。














………結婚……したかった。












………お前を…抱きたかった。