亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~



―――馬鹿野郎。



………こんな時に………笑うんじゃねぇよ……。







……お前が笑う時は………幸せな時だけだろ…。













馬鹿野郎。








……馬鹿野郎。














すぅ―……とエルシアが大きく息をした。



呼吸で上がった胸が、ゆっくりと静かに下がっていくと同時に……………。

















………エルシアは目を閉じた。




















………エルシア…?



















なんでだよ。













なんで。















なんで…!

















「――…エルシア!………………っがぁ!?」



突然、背中に鋭い痛みが走った。


……斬られた…不意打ちか…!




素早く応戦しようと剣を握り直そうとした時、その手を思いきり蹴られた。


オーウェンの剣は弧を描きながら宙を舞い、離れた所にある柱に突き刺さった。




「………遅い」


妙に冷静で癪に障る呟き声が聞こえたかと思うと………いつの間にか………真っ白な刃が胸に刺さっていた。