亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~












視界の中央にいた男の姿が、一瞬で消えた。


同時に………………身体の中心に、激痛が走った。


痛い


…痛い……。


息が出来ない。



小刻みに身体が震え、立つこともままならない。
ふと視線を下に下ろすと………。

………青い光沢を放つ細身の長い剣が………まるで腹部に生えている様に見えて…。


「………………う……」

唇の端から真っ赤な血が流れ、細い顎を伝って床に落ちた。




「………………今更何を言う………王族風情が…」


目と鼻の先に男はいた。
長い剣は深く…柄の辺りまでエルシアを貫いていた。







溜まった涙が一つ…また一つ…床に追いかける様に落ちていく。















………………ごめんなさい。

ごめんね。

ごめんね。







――リネット。

――ローアン。

――お母様。

――お父様。


















―――………オーウェン……。









………オーウェン……オーウェン………。











……………ああ…………なんだか……とても…………。















「………………寂し……い」