亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


―――天誅。

………偉大なる創造神アレスも…それをお望みか。

………アレスよ……貴方様は……庭を荒らした我が子が憎いですか。


「………これが神の裁きであるならば、私は喜んで受け入れます。………ですが…」


………こんなやり方でしか無いのか。

「…ご立派で…。しかし……王族など、民の上で優越感に浸るだけで………無能な存在だ」

「――無礼者!!」

エルシアは剣を低く構えた。

………存在を否定された。……無能な存在?……誰の事を言っている?

………先代の狂王のこと?……お母様のこと?

「………革命と称しておきながら……結局は単なる殺戮………虐殺………狂王がなさった事と何が違います?………貴方方は……何が正しいとお思いなの…!」

男の顔から、微笑が消えた。
エルシアに向けられた視線は、全てを貫く鋭利な刃を連想させた。



エルシアは涙を浮かべ、男を睨みながら叫んだ。







「―――国を思う心は……痛い程分かります!……ですが……これは違う!!………」




涙で視界が歪んだ。


………こんなのは違う!








「………分かっているのですか?……………………上に立つというのは……国を治めるのは…」