亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~










床、柱、壁、螺旋階段、シャンデリア………。一面が赤く染まった。


口を汚したライマン達は惨たらしい死体から離れ、一斉に廊下の奥へ走った。


「………広間に向かう。先頭はライマン」

ベルトークが奥の広間に向かって指差す。
配下の兵士達はライマンの後を追った。

「……私は広間の方に行く。ゴーガン、お前はこの一階にいろ」

「………ふん……退屈だな」

肩に背負っていた巨大な片刃の剣を降ろした。
切っ先が掠れ、大理石の床に小さな火花を散らした。

「これは遊びじゃない……用心しておけ。一人として逃がすな……」

ベルトークは長い剣を“闇溶け”で消し、広間の方へゆっくりと歩いて行った。


「……何が用心しろだ…なめてんのか?」

見えなくなるベルトークの背中に向かって悪態を吐き、ゴーガンは我が主に向き直った。

「総団長、広間に集まっている貴族の奴等はどうなさるおつもりで?」







……流れる様な白髪がゆらりと揺れ、虚ろな表情が覗いた。


光り輝く真上の天井の明りをぼんやりと眺めながら………クライブ=フロイアは呟いた。













「―――……決まっているだろう…………皆殺しだ……」