指先を食いちぎられた兵士が、痛みに呻きながらライマンをどかそうと剣を握ったが、鋭い爪で弾き返された。
剣はカランカラン……と床を滑る様に手から離れた。
ライマンが肩にかぶりついてきた。
「………っああああああああ!!」
悲鳴は止まない。
すぐ隣りには、さっきまできびきびと動いていた仲間の首が転がっていた。
「―――滑稽だな」
そんな声が聞こえた。遠ざかる意識の中、脇を通り過ぎていく先鋭部隊の中に、にやにやと笑う男が見えた。
………ゴーガン=カルジス
お前もか………お前も……リンクスと絡んで何故この様な…………………………………。
灰色の群衆。
足音が木霊するその最後尾。
―――嘘だ。
我が目を疑った。
………涙が滲んだ。
「―――総…団長…………………?」
威厳ある軍服に掛かった真っ白な髪。
虚ろな目。
握られた、紋章が刻まれた国家騎士団の剣。
―――何故ですか?
―――何故……貴方が……。
―――何故……。

