亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


指先を食いちぎられた兵士が、痛みに呻きながらライマンをどかそうと剣を握ったが、鋭い爪で弾き返された。

剣はカランカラン……と床を滑る様に手から離れた。



ライマンが肩にかぶりついてきた。

「………っああああああああ!!」

悲鳴は止まない。
すぐ隣りには、さっきまできびきびと動いていた仲間の首が転がっていた。





「―――滑稽だな」



そんな声が聞こえた。遠ざかる意識の中、脇を通り過ぎていく先鋭部隊の中に、にやにやと笑う男が見えた。


………ゴーガン=カルジス



お前もか………お前も……リンクスと絡んで何故この様な…………………………………。












灰色の群衆。






足音が木霊するその最後尾。















―――嘘だ。




我が目を疑った。



………涙が滲んだ。



















「―――総…団長…………………?」
















威厳ある軍服に掛かった真っ白な髪。

虚ろな目。

握られた、紋章が刻まれた国家騎士団の剣。






―――何故ですか?









―――何故……貴方が……。



―――何故……。