「何だ!?………外から法螺貝の音が……!」
「最高警報音だ……何かあったんだ……!」
「影か…?………松明の火で近付けない筈じゃ………」
「おい!扉を開けろ!!外で誰かが応戦しているかもしれない!」
城内の、出入り口である巨大な扉の前で、国家騎士団の兵士達は混乱していた。
城壁外から丘の下、城へと通じる階段、そしてこの扉の向こう側まで、兵士を配置させていた筈だった。
………どうやってくぐり抜けて来た?
「………しかし……侵入されたりでもしたら……」
開けるか開けまいか苦渋の決断を迫られていると、外から物音が聞こえた。
………数人の足音。人の気配。
「―――影の群れによる襲撃を受けた。城壁の外にまだいる。応戦を頼みたい。………怪我人もいるのだ。ここを開けて欲しい」
戦ってきた直後なのか、互いの剣が交差する小さな鈍い音が聞こえる。
「大丈夫か!?………待っていろ……すぐに開ける。おい、鎖を引け!!急げ!!」
ジャラジャラジャラ……と長く太い鎖が左右から引かれ、ギギギ…と重苦しい音を鳴らしながら扉は動き出した。
だんだんと開いていく扉。
松明の明かりなど無い真っ暗な闇が見えた。

