逃げる様に部屋から走り去ろうとするオーウェンの腰のベルトを掴み、引き戻そうとする家来。
オーウェンは踏ん張りながら前へ前へ進む。
「………良いじゃねぇか―………ちょっと…くらい……着替えて…るなら………尚のこと………見に…いや、行かなければ………」
「………下心で…動かないで……下さいっ…………早く……召して…下さい―…」
「てめぇ………なかなかの根性じゃねぇか………この…俺を………足止めするとは………………おわっ!?ベルト下がる!馬鹿!!下に引っ張るな!!」
「下げますよ!!痴態を曝してでも行かれるのですか!!…………………………私を……なめないで下さい」
とうとう家来に引き戻され、オーウェンはしぶしぶ椅子に座った。家来は肩で息をしながら額の汗を拭い、オーウェンの髪に櫛を透し始めた。
「………え―…オールバック?………嫌だなぁ………女共が黄色い声を上げるから避けているのに…」
「……オーウェン様…それは自慢ですか…」
まさか~、とオーウェンはにやにやしながら、脇の窓に目を移した。
オーウェンは………笑みを引っ込めた。
「………今夜は……警備は厳重なんだよな…」

