城門の隅に光っていた小さな松明の光。
次の瞬間、その一点がふっと………静かに視界から消えた。
(………?)
………………消えた。
………どうして消したのだろう。
不思議に思っていると、ポツポツと他の明かりも………時間を於いて消えていった。
丘の下から………だんだんと……。
まるで夜の闇が、少しずつ少しずつ、城に歩み寄っている様な…。
「………変ね……何か………おかしいわ…………静かだわ…」
……なんだか不気味だ。
階下で賑わう人々の楽しげな声が、いつの間にか静寂に覆われ、虚しく響いている。
「………ルア………?」
足下で、ルアが全身の毛を逆立て、低い唸り声を発していた。
………言い知れぬ不安が過ぎった。
何か来る。
いや………もう来ている。
すぐそこに。
………堂々とした何かが。
「………お姉様は……エルシアお姉様は……今何処にいたかしら………まだお部屋…」
小部屋から出ようと急いで踵を返すと……扉の前で、ルアが行かせまいと構えていた。
「ルア……やっぱり何かあるのね?……お願い…行かせて………皆に報せないと!!」

