日が暮れた。
赤い弧を描いた夕日は沈黙の森の彼方へと溶け込み、辺りは徐々に薄暗くなっていった。
城の最上階の小さな小部屋で、ローアンは大きな窓から外を眺めていた。
森から伸びた細い一本の道。
そこ一点のみじっと凝視していたが………車は一向に現れない。
………キーツ………遅刻ね。何かあったのかしら?
ふと、丘の下の城門辺りに視線を移す。
何本もの松明の火が掲げられ、城全体がまるで昼の様な明るさで満ちていた。
こんなめでたい日でも、影の対策は怠ることは出来ない。
国家騎士団の兵士達の、およそ半分が城内外に配置されていた。
「ご苦労なことね………ルア、下に戻る?………騒がしいのは嫌いだったわね。じゃあもう少しここにいましょう。………キーツは多分まだ来ない気がするわ」
クスクスと笑いながら、ローアンはルアを撫でた。
城門前。
「―――松明は………ずっと持っていると疲れるし……暑いな」
「ぐだぐだ言うな。さっさと配置につけ。………俺だって暑い…」
「丘の上の城では豪勢なパーティーかぁ……良いねぇ貴族様は。そんなめでたい日に……俺ら兵士は灯台代わり………笑えるな」

