亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


華やかな飾り。

賑わう貴族の人々。

豪華なドレスに髪飾り。

地を突く紳士達のステッキに、交わされる祝辞。







この日は、オーウェンとエルシアの結婚式だった。



昼間から、城内にはいつも以上に多くの人が集っていた。

ほとんどは貴族。国の貴族達が全員参加していた。

何しろ、第一王女の結婚式なのだ。
その夫は、第一王位継承権を持つことになる。

未来の王が誕生する、偉大な日なのだ。



式は日が暮れてからだった。

日が高い今は、まだ準備に追われていた。













「エルシアお姉様、まだ花嫁衣装は着ないの?」

「……ローアン…式は夜よ?……早すぎるわ」

「……早く見たいですわ…花嫁姿のお姉様。………衣装を前に一度見た事があります。赤くて綺麗なドレスでしたわ…」

うきうきしながら夜を待つローアン。
エルシアはにこにこと微笑んでいた。


………本当に幸せそうだ。


「………あと数年したら、貴女も着るのよ?………花嫁衣装で、キーツの隣りを歩かなきゃ…」

そう言うと、ローアンは顔を赤くし、もじもじと小さくなっていった。

「………もう…ローアンは可愛いわね~」

エルシアはよしよしと撫でた。