亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~










いつも冷静で


物静かで


無口で


あんまり笑わなくて







感情を表に出さない彼女。













その彼女が















舞い散る花びらのカーテンの中で





僕の前で















涙を浮かべ







頬を赤く染め













微笑んでくれた














なんて綺麗なんだろう。


なんて可愛らしいのだろう。







そんなローアンが愛しくて、愛しくて、愛しくて……愛しすぎて………キーツはローアンを抱締めた。







腕の中に簡単に収まってしまう程…小さな…華奢な身体。

心地よい体温。

鼻をくすぐる甘い香り。





ただ夢中で抱締めた。


絶対に離すものか。

この娘を手放すものか…と。









腕の中で、ローアンは顔を埋めた。





くぐもった小さな声で………


「はい」


………と聞こえた。













幸せだった。






これ以上、何を求めようか。





僕は………


欲しくて欲しくて堪らなかったものを


………手にいれた。