亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~




春の暖かい日差しが射しこむ中、キーツとローアンは花畑へ向かった。


「………長い間お水をあげれなかったし…手入れもしてないわ。………冬を越せずに枯れてしまったんじゃないかしら…」

そんな事を話していると………一面緑の大地に、真っ白な部分が視界に映った。


………咲いている。



駆け寄って見ると………確かに、それは花畑だった。
真っ白な、小さな花。


………あの極寒の中…ろくに水もやれない環境で…生きていた。








「………凄い……キーツ、ちゃんと咲いてるわよ……枯れてなんかいないわ…」

「うん………こんなに小さいのに…」


ルアは花畑の中に静かに入って行った。
ここはルアが生まれた場所なのだ。一つ一つ、踏まないように、ルアは中央に進む。




鼻先で、白い花弁を優しく撫でた。



ルアを追いかけ、ローアンも花畑の中に足を踏み入れた。



長いドレスの裾がたなびく。鮮やかな金髪を、風が撫でていった。

「ちゃんと育つのね……驚いたわ………ルア、あんまりはしゃいでは駄目よ」

キーツは中には入らず、手前で花畑を眺めた。





………昔と変わらない。





最初に見た時と………同じ風景。