春の暖かい日差しが射しこむ中、キーツとローアンは花畑へ向かった。
「………長い間お水をあげれなかったし…手入れもしてないわ。………冬を越せずに枯れてしまったんじゃないかしら…」
そんな事を話していると………一面緑の大地に、真っ白な部分が視界に映った。
………咲いている。
駆け寄って見ると………確かに、それは花畑だった。
真っ白な、小さな花。
………あの極寒の中…ろくに水もやれない環境で…生きていた。
「………凄い……キーツ、ちゃんと咲いてるわよ……枯れてなんかいないわ…」
「うん………こんなに小さいのに…」
ルアは花畑の中に静かに入って行った。
ここはルアが生まれた場所なのだ。一つ一つ、踏まないように、ルアは中央に進む。
鼻先で、白い花弁を優しく撫でた。
ルアを追いかけ、ローアンも花畑の中に足を踏み入れた。
長いドレスの裾がたなびく。鮮やかな金髪を、風が撫でていった。
「ちゃんと育つのね……驚いたわ………ルア、あんまりはしゃいでは駄目よ」
キーツは中には入らず、手前で花畑を眺めた。
………昔と変わらない。
最初に見た時と………同じ風景。

