亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~







春の訪れの始め。



エルシアが16となった誕生日の日、オーウェンがプロポーズをしたらしい。






久しぶりに入城した時、不機嫌度マックスのリネットが早口で言っていた。


廊下で擦れ違うエルシアは、何とも言えないくらい幸せそうだった。
普段背景にちらつかせているフワフワした花が、今は倍以上の量になっている気がする。


幸せそうなのはオーウェンも同じで、いつ何処でも嬉しそうに笑っている。
おまけにエルシアとのスキンシップ………………ベタベタするのが増えた。


人前でエルシアをきつく抱擁するならまだしも、キスシーンなんぞを平気で見せつけてくる様になったものだから………見せられている側としては、目のやり場に困る。



結婚式の日は決まった。次の冬が到来する前の月だ。
まだ何ヶ月も先だ。
二人は待ち遠しい様だった。
















長い間、城の裏手にあるあの小さな白い花畑に行ってなかった。



影が頻繁に出るため、外に出るのは禁じられていたが、ルアも連れて行くと言うと、少しの間ならと許してくれた。


なんだか忘れていたが、ルアは一応、聖獣ネオマニー。

戦闘力に関してはその辺の魔獣より卓越しているのだ。