亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


「………え―…?………じゃあここは思い切って国際結婚なんてのはどうだ?………………今は完全に鎖国状態だが……バリアンとかは?」

「軍事国家の殿方など………言語道断!話になりませんわ!!」

「良い奴もいるって、多分。バリアンの人間は皆肌が浅黒くて、大昔からの戦士の考えが根付いているらしいから…ちょい好戦的だが………男は皆勇ましい!」

「嫌ぁ!!…絶対嫌!!血の気の多い輩は嫌!!」

リネットは砂糖菓子を投げ付けてきた。

「んじゃあもう一つのデイファレトはどうだ?………あそこは男も女も色白で、どちらかと言えば平和的思考で………美男美女しかいない!ビビる程男も美人だ!!美少年だぞ!」

「嫌ぁ!!絶対嫌!!綺麗過ぎる人間を前にしていると疲れますもの!綺麗な花には棘がありますのよ!!なんだか女々しそうで嫌!!」

紅茶が入ったままのカップを投げ付けてきた。避けたオーウェンの背後にいたアレクセイが素早い動作でキャッチし、何も無かったかの様にお盆に乗せた。

「男は嫌いですの!!独身が良いのです!!結婚なんて絶っ対にしませんわ!!」

半分ヒステリー状態と化したリネットはその辺の物をオーウェンに投げ続けた。



キーツの頭上を物が飛び交う。