―――………これは陰謀?
リネットの呪い?
………タイミング悪ぅ――――!!
出て来る大臣達の邪魔にならない様に、二人はさっと脇にどいた。
………自分、今一世一代の凄いこと言おうとしたのに………。
………いや……確かに謁見の間とか……人がいそうな所を選んだ事からもう駄目だけどさ………。
………もう少し気を遣ってくれたって…!…無理だけど!
すぐ横を大臣の群の大移動が行われている中、キーツは独りずーぅん………と自己の不運さに落ち込んでいた。
足下にいたルアは、明後日の方向を見て鼻息を一つ吐いていた。
………この人間臭い聖獣め!……それは哀れみか!同情してんのか!…………………いや、呆れてるだけなんだな!そうなんだな!
最後に、謁見の間から女王がゆっくりと出て来た。
扉の側にキーツとローアンが並んでいるのを見つけた。
「……あら…二人とも………どうし…」
女王は繋がれた二人の手と、激しく落ち込んでいるキーツの様子を見て言葉を呑んだ。
「………お母様?」
「………あら………あと少し会議を延ばせば良かったわね………フフ、御免なさいね…」

