亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


「―――結婚ですな」

「わあああああああ――!?はっきり言うなアレクセイ!!」

キーツは真っ赤になってアレクセイの肩を叩いた。



「………言うべきか悩んでいたのだがな……そうだ。……王から呼ばれていたのはそのためだ。………王と大臣らが勝手に決めた事でな………政略結婚など………お前にはさせたくなかったのだが……」









―――父の話も………半分は上の空だった。












結婚。


政略結婚。










政略結婚だけど………。














………ローアンと……。











ローアンと………。
















「―――キーツ坊ちゃま……キーツ坊ちゃま……駄目ですな。昇天しております。………仕方ありません、このまま車に運びましょうか」



















………はっと気がついた時には、自分はいつの間にか車に乗って帰路についていた。












………ローアンと………結婚……。











嬉しくて仕方無い。
















だが……。

















ローアンは…どう思うだろう。