ここはどろどろしていて気持ち悪い。
そこら中真っ赤。
両手の爪にいっぱい真っ赤な肉片が入った。
気持ち悪い。
分かんない。
分かんない。
………眩しい。
―――気がついたら、いつの間にか外に出ていた。
服は真っ赤。歩いて来た所も真っ赤。
血が飛び散ってる。
眩しい太陽の下、思いきり泣いた。
止まらない。
灰色の人間達は急にざわめき始めた。
殺されてもいい。
殺して下さい。
分かんないの。
真っ黒な犬があたしを通り越して、どんどん家屋に入って行った。
戻って来た犬が咥えているのは、小さな小さな、元人間だったものの塊。
泣いていると、女の子が近寄って来た。
あたしの前でしゃがんで見上げてきて、立ち上がって………。
あたしを。

