「………ただいま戻りました。第3部隊総員何事も無く無事帰還です」
「同じく第4部隊も支障無しです」
ジスカとトウェインはベルトークの前で揃って敬礼をした。
………決まっている筈のゴーガンがいない。
「御苦労。………追撃は無かった様だな。各自、よく休め。……ジスカとトウェインは軍議の部屋へ。………それと……マリア=クローデル」
整列していたマリアはベルトークに顔を向けた。
「……はい」
まさか呼ばれるとは思っていなかったマリアは、小さく首を傾げた。
「後で私の所へ来るように。……以上」
ベルトークはその場で“闇溶け”で消えた。
イブは不思議そうに腕を組んで考え込む。
「何だろうね―………何かマリア、機嫌を損ねる様な事した?………足踏んだとか…」
「………踏んだ覚えは無いわ。………それに第1部隊隊長とは滅多に会わないし、話さないし………多分右足のことだと思うけど」
ちらりとマントの下の右足に視線を移した。
「……そっか。……昨日の暴走は凄かったしね。……もし怒られたら、逆ギレして一発殴りなよ…」
イブは恐ろしいことを言う。
………そんな事をすれば死んでしまう。
自殺行為だ。

