何がおかしいのか、総隊長は笑いながら、身体を小刻みに震わせる。
「………………時だ。………時の訪れを示す…………これは前兆だ…」
………時の訪れ?………この方は何を言っているのか。
ゴーガンは怪訝な表情を浮かべた。
「………総隊長………それはどういう…」
「…………何でもない………気にするでない………私の…勝手な想像だ………」
「………」
ゴーガンはそれ以上何も言わなかった。
間を置いて、ベルトークが話始める。
「………そのため…戦力は削れましたが……あちら側もそれは同じ。けしかけてくるということは無いでしょう。……その間、時間があります…こちらも時期を見計らって…再戦の方向を考えています……」
そう言った途端、ゴーガンが意を申し出て来た。
「……俺は反対です。相手は弱っているんだ………今叩かなくてどうする………!」
「……追い討ちは確かに効果的な戦法だが………それは騎士団の中では禁じ手だろう…」
―――戦士たる者、無駄な被害を避けるため、戦いはその一度で終わらせる。
常に向かい合い、常に正面から。
誠の義のある戦いとは、互いの戦意が向き合った時のみ行われるもの。
………戦意の無い相手に剣を向けるのは、戦士とは言えない。
「………………時だ。………時の訪れを示す…………これは前兆だ…」
………時の訪れ?………この方は何を言っているのか。
ゴーガンは怪訝な表情を浮かべた。
「………総隊長………それはどういう…」
「…………何でもない………気にするでない………私の…勝手な想像だ………」
「………」
ゴーガンはそれ以上何も言わなかった。
間を置いて、ベルトークが話始める。
「………そのため…戦力は削れましたが……あちら側もそれは同じ。けしかけてくるということは無いでしょう。……その間、時間があります…こちらも時期を見計らって…再戦の方向を考えています……」
そう言った途端、ゴーガンが意を申し出て来た。
「……俺は反対です。相手は弱っているんだ………今叩かなくてどうする………!」
「……追い討ちは確かに効果的な戦法だが………それは騎士団の中では禁じ手だろう…」
―――戦士たる者、無駄な被害を避けるため、戦いはその一度で終わらせる。
常に向かい合い、常に正面から。
誠の義のある戦いとは、互いの戦意が向き合った時のみ行われるもの。
………戦意の無い相手に剣を向けるのは、戦士とは言えない。

