「………もう駄目ね…飲めない?………うん…よく頑張ったわね………頑張った……もう寝て良いのよ………そうそう…ずっと抱いててあげるから…ね」
赤ん坊はだんだんと瞼を閉じていった。
マリアの服をぎゅっと掴んでいた小さな手も、離れていった。
「………影にならないように……すぐ燃やすから………今度生まれてきたら……絶対幸せだから…。戦争なんか……終わらせるから」
マリアは笑っていた。………悲しい目だ。
やがて赤ん坊は大きく息を吸い………動かなくなった。
「……死んだわ。………イブ、薪になりそうな物と火を…」
「………はーい」
隣りで見ていたイブは弾かれた様にかけて行った。
「………まだこんなに小さいのに……どういう因果かしらね………」
冷たい亡骸をそっと地面に置き、きちんと産着を着せてあげた。
散乱している瓦礫の中から大きな布を引っ張りだし、頭から爪先まで包んでいく。
「……私の子供もね、影に襲われて死んだの…まだ2歳だったわ」
ジスカは黙って聞いていた。マリアは微笑みながら、息を吐いた。
「………死んだら……影になる前に跡形も無く燃やす…正しい事をしているのに………悪い事をしている様な気がするのは………何でかしら」
赤ん坊はだんだんと瞼を閉じていった。
マリアの服をぎゅっと掴んでいた小さな手も、離れていった。
「………影にならないように……すぐ燃やすから………今度生まれてきたら……絶対幸せだから…。戦争なんか……終わらせるから」
マリアは笑っていた。………悲しい目だ。
やがて赤ん坊は大きく息を吸い………動かなくなった。
「……死んだわ。………イブ、薪になりそうな物と火を…」
「………はーい」
隣りで見ていたイブは弾かれた様にかけて行った。
「………まだこんなに小さいのに……どういう因果かしらね………」
冷たい亡骸をそっと地面に置き、きちんと産着を着せてあげた。
散乱している瓦礫の中から大きな布を引っ張りだし、頭から爪先まで包んでいく。
「……私の子供もね、影に襲われて死んだの…まだ2歳だったわ」
ジスカは黙って聞いていた。マリアは微笑みながら、息を吐いた。
「………死んだら……影になる前に跡形も無く燃やす…正しい事をしているのに………悪い事をしている様な気がするのは………何でかしら」

