「―――マリア…」
“解放”はこれで何度目だろう。もうあのパラサイトは十分成長している。
いつマリアを呑みこんで樹になるか…。
「……無茶な事を…!」
……自分のために、敵を足止めするためにしたのだろうが……愚か者め………!少しは残り少ない命を大事にしろ!
トウェインは階段に視線を移す。
………終わらせなければ…!
“闇溶け”で空間から武器を出し、そのまま階段を駈け登った。
「―――隊長!?」
イブは後を追った。
長い螺旋階段を上がっていくと、真上に晴れた星空が覗いていた。
………出口。
階段から抜け出そうと勢いをつけた。
隠す気など無い、はっきりとした鋭利な殺意。
すぐ脇からびりびりと伝わってきた。
トウェインは咄嗟に身を屈め、脇に転がり込んだ。
トウェインの頭がさっきまで覗いていた場所に、数本のナイフが突き刺さった。
………松明の明かりに背を向けた人影。
…それは自分より背が低い。
「―――この奥には行かせない…」
聞こえてきた低い声は、まだ少年の声。
(………幹部…リスト=サベス……)
背丈やぼんやりと見える顔立ちも、以前見た資料とほぼ一致している。
“解放”はこれで何度目だろう。もうあのパラサイトは十分成長している。
いつマリアを呑みこんで樹になるか…。
「……無茶な事を…!」
……自分のために、敵を足止めするためにしたのだろうが……愚か者め………!少しは残り少ない命を大事にしろ!
トウェインは階段に視線を移す。
………終わらせなければ…!
“闇溶け”で空間から武器を出し、そのまま階段を駈け登った。
「―――隊長!?」
イブは後を追った。
長い螺旋階段を上がっていくと、真上に晴れた星空が覗いていた。
………出口。
階段から抜け出そうと勢いをつけた。
隠す気など無い、はっきりとした鋭利な殺意。
すぐ脇からびりびりと伝わってきた。
トウェインは咄嗟に身を屈め、脇に転がり込んだ。
トウェインの頭がさっきまで覗いていた場所に、数本のナイフが突き刺さった。
………松明の明かりに背を向けた人影。
…それは自分より背が低い。
「―――この奥には行かせない…」
聞こえてきた低い声は、まだ少年の声。
(………幹部…リスト=サベス……)
背丈やぼんやりと見える顔立ちも、以前見た資料とほぼ一致している。

