亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

柵に身を乗り出し、キーツも見下ろした。

「………パラサイトか……厄介なものを扱うな……恐らく、第1部隊隊長さんの考案したものだろう。以前にも似た様なのがあった……しかし………これは本当に曲者だな…」

どうかするとここにいる人間全てが食われかねない。

………寄生されている生命体から種を抜けば、種は死ぬ。

(………行く…か)

パラサイトの暴走を止めに行こうと、キーツは剣を取った。



―――その途端、下の階から兵士達の悲鳴と壁が砕ける大音響が響いた。

螺旋階段から、砂埃と共にルアの姿が現れた。

「ルア!………どうした……?」

ルアが…恐怖に堪えて震えている。
一体どうしたというのか。このルアが何かに恐れるなんて…。

「………下に…敵がいるんだな?」

…ルアはただただ震え、低い呻き声をもらす。

何がいる?

………今回は…これまでの敵とは明らかに違う…。










下の階は、地獄絵図の世界だった。

床、壁、天井、階段……溢れる程の血が流れ、あちこちに散った肉片や眼球、砕けた歯を赤く染めながら押し流している。




―――…あ~あ…さっきの白い犬…もう少しだったのに逃げられちゃった。



―――…おいしそうだったのに…。