亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

マリアは愛しげに寄生された右足を擦る。

「―――吸い付くした後は、また新しい生物に寄生して大きくなって………最後には三大世界樹になるの……」

―――三大世界樹。各三つの大陸にある、三種類の最大と言われる大木だ。

三種とも寄生植物であり、移動する種であるため、見つけるのは困難だ。

……ここフェンネルにある三大世界樹は、パラサイト。
大木自体は何本か発見されているが、種の段階の、しかも寄生している状態のはまだ発見されていない………と言われていたが…今ここで、寄生されている人間まで目にしている。


………パラサイトは防衛本能がある。身を守るため、寄生している生命体を生かそうとし、危険と判断した外敵に襲いかかってくるのだ。

つまり………誰一人としてマリアを傷つけることは出来ない。

「……パラサイトに寄生された人間は、私が初めてでしょうね。………今はパラサイトの寄生をなんとか止どめてるけど………解放したら………皆…死んじゃうわ」

さらりと笑顔で言うマリア。
今や兵士達の恐怖心は完全にパラサイトに向いている。


………こんな…こんな恐ろしいものを…。


マリアは微笑を浮かべたまま、兵士達を見据えて呟いた。

「―――…“解放”」