亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

……このマントの下の右足は……諸刃の剣。

………良いの。私はどうせ、そんなに長くないから。


パッ………とマントを投げ捨てた。






化け物と呼ばれる所以が、今、露になった。



「―――ひっ!?」

それを見た途端、周りから驚嘆の声が上った。












「――気持ち悪いかしら?………慣れればそうでもないのよ…」







マリアは右足を擦った。




手の平に感じるのは、弾力のある人の肌ではない。



―――木だ。

ざらざらとした、乾いた感触。
固い、ごつごつとした…。















マリアの右足は、膝から下が人間の足ではなかった。

細い木の枝や蔓が、幾重にも絡まった焦げ茶色の足。
それが普通の足の形ならまだしも、マリアのそれは獣足を象っていた。

取って付けたような、絡まりあった木の枝で出来た獣足。


それはあまりにも滑稽で、生々しいものだった。



時折、小さな葉が付いた蔓が動いている。



………まるで…右足だけが生きているかの様で…。


ごくり、と息を呑む兵士達。


「………これはね、寄生植物のパラサイトって言うの。……動物の死体に寄生して、養分を吸い取って成長するの…」