有り得ない数だ。周りの兵士達に容赦無く襲いかかって来ている。
飛び掛かって来た獣型の影を、ベルトークは一瞬で薙払った。
火の囲いの中にも、鳥型の影がどんどん入っていく。
まだ中に閉じ込められていた兵士達は、突如現れた影と応戦していた。
………第三者の割り込みで、この戦場は混乱し始めた。
「―――…一旦退け!」
ベルトークは叫んだ。
これでは手に負えない。…影狩りに来たわけではない。
巨大な影が数匹、ずるずると体を引きずり、炎の壁に向かって突っ込んだ。
――ジュウゥゥ―…とそこだけ火が消えて行く。
……光に弱い筈の影が炎に飛び込むとは…。
囲いの火が鎮火した部分から、影が中にずるずると這って行く。
「総員撤退!森に引き返せ!」
うかうかしている暇は無い。
撤退を促すベルトークの脇に、何処に居たのか、ゴーガンが“闇溶け”で現れた。
「どういうことだよ………こんなの聞いてねえぜ!」
苛立ちながら、ゴーガンは部下に襲いかかろうとした影を後から真っ二つに両断した。
「知るか………兵を撤退させろ。ジスカにも思念伝達で伝えておけ……作戦は一時中断、総員撤退と…」

