そんな哀れな老人を傍目に、ダリルは腕を組んで考え込む。上空から飛んで来た鳥型の影を、短剣で一瞬でかっさばいた。
「………この竜巻の威力を越える………まぁ、ちょっとした衝撃波をぶつければ………穴くらいは空くかもしれない……」
…俯いていたアレクセイが、ダリルの呟きに顔を上げた。
「そんなことが出来るのですか………?」
「………理論上はね。………ただ…難しいよ………材料が揃っていない」
「…そんなんじゃ朝になっちゃうじゃな―い…。…………………………う……?」
何かを嗅ぎ付けたイブが、顔を上げて辺りに鼻を利かした。
「………何なのさイブ…また隊長の匂いだとか言うんじゃないだろうね………途中で見失ったんでしょ…?」
もういいよ、と溜め息を吐くダリル。しかし、当のイブはフルフルと左右に首を振った。
「……違う。……………前に嗅いだことあるよ、これ。………四つ足の………美味しそうな臭い…」
『四つ足の美味しそうな臭い』
軽いなぞなぞか何かだろうか。それとも単にこの子の語彙が貧しい故の表現か。
……後者に違いない。
「………お前、ふざけるのもいい加減に…!」
苛立つリストがイブに向かって声を荒げようとした時…。
視界の悪い、砂埃の嵐の向こうから………青白い光を灯した真っ白な獣が躍り出てきた。
イブ以外の全員が咄嗟に身構えたが、はっきりと目にすると、すぐに剣を下げた。
「………………ルア……!」
勢いよく正面に降り立ち、ブルブルと身を震わせたルア。真っ白な身体は、土砂や影の返り血ですっかり汚れてしまっていた。
「………この竜巻の威力を越える………まぁ、ちょっとした衝撃波をぶつければ………穴くらいは空くかもしれない……」
…俯いていたアレクセイが、ダリルの呟きに顔を上げた。
「そんなことが出来るのですか………?」
「………理論上はね。………ただ…難しいよ………材料が揃っていない」
「…そんなんじゃ朝になっちゃうじゃな―い…。…………………………う……?」
何かを嗅ぎ付けたイブが、顔を上げて辺りに鼻を利かした。
「………何なのさイブ…また隊長の匂いだとか言うんじゃないだろうね………途中で見失ったんでしょ…?」
もういいよ、と溜め息を吐くダリル。しかし、当のイブはフルフルと左右に首を振った。
「……違う。……………前に嗅いだことあるよ、これ。………四つ足の………美味しそうな臭い…」
『四つ足の美味しそうな臭い』
軽いなぞなぞか何かだろうか。それとも単にこの子の語彙が貧しい故の表現か。
……後者に違いない。
「………お前、ふざけるのもいい加減に…!」
苛立つリストがイブに向かって声を荒げようとした時…。
視界の悪い、砂埃の嵐の向こうから………青白い光を灯した真っ白な獣が躍り出てきた。
イブ以外の全員が咄嗟に身構えたが、はっきりと目にすると、すぐに剣を下げた。
「………………ルア……!」
勢いよく正面に降り立ち、ブルブルと身を震わせたルア。真っ白な身体は、土砂や影の返り血ですっかり汚れてしまっていた。

