亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


「―――!?」


震源の方へ目をやると、遠くの方にイヨルゴスの巨体が見えた。

イヨルゴスは抉れ、斬られた両腕を、地団駄を踏む様に地面を叩き付けていた。

荒れ果てた地表に、また更に亀裂が走り、激しい凹凸が出来ていく。


立っていられない程の揺れが続く。

イヨルゴスは咆哮しながら、両腕を辺りに目茶苦茶に振り始めた。

砂埃の混じった凄まじい突風が吹き荒れ、小さな影や横たわる死体が、四方に散らばっていく。

「…………うっ…」

剣を地面に突き刺し、飛ばされない様に耐えた。ルアとトゥラも屈み、爪を立てて耐えている。




『………ア……ガアアアアアアアア!!』














怪物の片腕が、地表を貫いて深く地面にめり込んだ。








―――途端、赤土の地面が……グッと膨張した。

緩い曲線を描いていく平らだった地表。





「―――っ…………跳べ!!」












ローアンは叫ぶと同時に、高く飛翔した。














影達が集まる黒々とした地表が………内から破裂した。
























「―――くぁっ……!」














目下から衝撃波が襲いかかる。

剥がれた巨大な地面と岩が、吹き飛ばされた勢いで弾丸の様に飛んできた。


尖った石の群が、皮膚を切り刻んでいく。































「―――アレクセイ!」



負傷した足を抱えているせいで、衝撃波を避けきれないアレクセイ。キーツは駆け寄るや否や、軍服の上着を脱ぎ、屈んでいるアレクセイにかけた。