亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~


まだまだ終わらない。

城の封印が解かれても、何も変わらない。




………誰かが止めるしかないのだ。









その誰かが…。



…………彼女なのかもしれない。















「………さぁて…………」


震える両足を酷使してしっかりと立ち、槍の刃先を下ろした。


………頑張れよ、お姫様。





何がどうなろうと、歩かなけりゃならない。

お前が立ち止まってちゃ……何も変わらないんだよ。



今なら思っても良い。あながち、間違って無いと思うぜ。



………この夜だけ、世界はお前を中心に、回っている。


違いねぇよ。






違いねえ。


















ジスカは、滴る血など気にせず、視界の至る所で蠢く影に、槍を構えた。


その表情は、実に楽しそうで。








………まるで子供の様だった。



























「―――俺はまだ……………死なねぇぜ…………」