亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~



彼らの足下から、切って貼り付けたかの様に鋭い剣が天に向かって伸び、兵士の身体を貫いていた。


急所は外れている。








しかしそれは、故意に外しただけだ。





腹、腰、胸。

突き刺さった剣は抜かれるどころか、そのまま深く進行し、刃は回転した。
………グチッと、傷口が大きくなる痛々しい音。

血は迸り、肉片が散り、臓器は破れる。
大きな風穴が開いた。
冷たい夜気が通り、身体がやけに冷える。

………強烈な痛みが全身を駆け巡った。










―――断末魔の叫びが響き渡った。