―――朝日が昇り、空を漂い、また、落ちていく。 地平線の彼方に、日が吸い込まれていく。 冷たい風が、音も無く吹き荒れていた。 髪を靡かせ、頬を撫でていく。 トウェインは帽子の鍔をきゅっと引き、深く被った。 ………ああ。 ………始まるのだ。 長い長い………夜が始まる。 歓喜に、指先が震える。 側で今か今かと構えているトゥラは、待ち切れない様に唸り続ける。 もうすぐだ。 もうすぐだから…。 今夜だけは………好きな様にしろ。 …夜がこれほど………愛しいとは。