自分を呼んでくれる彼女の声は。
……か細くて。
……綺麗で。
……可愛らしくて。
……優しくて。
……愛しくて。
愛しくて。
愛しくて。
「……………エル…シ…ア………」
オーウェンは、目を閉じた。
彼女の温もりを感じながら。
笑みを浮かべる。
暖かい日だまりの中にいる様で。
もう、何も。
辛くは、無かった。
「……………もう一回………名前…………呼んで………くれ」
オーウェン、と。
その声で。
呼んでくれ。
ずっと。
ずっと。
『……オーウェン………………』
『…………………ありがとう………』
―――ありがとう。
ありがとう。
オーウェン。
オーウェン。
「―――……………………………少し………………休む………」
重なった手。
エルシアの手を握り締め、絡めた大きな手は、ゆっくりと……。
解けていった。
微笑を浮かべて、オーウェンは。
彼女に見守られながら、眠りについた。

