雪は更に激しく降り続ける。
まるで、僕の代わりに空が泣いてくれているようだった。
「…っ」
だんだん手足の感覚が無くなってきた。
寒すぎて機能しなくなったらしい。
僕はゆっくりと手をこすり合わせて、息を吹きかけた。
すると、その手の上に、何か暖かい物が重ねられた。


「ひどく冷たい手をしているじゃないか。」
「…」
一人のおじいさんだった。
どうしてこんなにも雪がたくさん降っているのに外に出ているんだろう?
すると、僕が思っていることを察したかのようにおじいさんは言う。
「お主、ずっとここで座り込んでおったじゃろう?どうしたんじゃ?」
「…」
はっきり言って相手にしたくなかった。
この人と喋ってしまうと、また『寒い』思いをしてしまうと思ったから。