「ぁっ、だめ!まだ熱が・・」


その少年は―――――黒崎龍。


「・・・黒崎か」


あたしがそっけなく名前をつぶやくと、黒崎龍は不満そうな顔をした。


「看病してあげてるのに・・・」


「だれもしろとは頼んでない」


「あ~、でもみんな驚いてた。瑞希が倒れて・・・」


こいつ、人の話聞いてないな・・・


私は軽くため息をつくと、ハッと気がついた。


「なんで私の名前・・・」


黒崎は不思議そうに目を見開いた。