「……綺麗」


無意識に出た言葉だった。


まだ、跳ねているボールを取りに行く彼と
バチッと目があってしまった。


彼も、少し驚いた顔をしたけど
ニッコリ笑って、
あたしのいる非常口に近付いてきた。


「1年生?」


「え、あ。はい!」


あたしは、突然質問され戸惑ってしまった。


「そっかあ、俺2年でバスケ部の
多田 敦。よろしくね」


多田…敦先輩…


「あ…!あたし、1年の吉沢 唯子です…」


あたしも、すぐに自己紹介した。
すると多田先輩は、少し考え込んで