再度質問されて、視線が定まらなくなってしまう。
素直に思ったことを言えば済む話なのに、どうして声にならないのか。
今まで社交的だと思っていた自分自身は、案外人見知りな性格なのかもしれない。
「電車で……あ、最寄り駅までは徒歩で」
「電車かー。
新幹線だったら楽だったんじゃない?」
「お金……かかっちゃうから」
本当は、もっとフレンドリーに話したい。
なぜか緊張が邪魔をする。
電話の時は、あんなに普通に話せてたじゃない。
なんで急に話せなくなっちゃうんだよ、自分。
「響は、仕事平気なの?」
勇気を振り絞って、逆にしてみた質問。
「平気じゃなかったら、こんなとこ来てないから」
「あ、そっか……あははは」
作り笑い。
自然に笑いたいのに、作り笑いになっちゃう。
「それにしても、めぇちゃんホントに声可愛いなぁ」
ふと言われ、不覚にも全身に熱が巡った。
「喋り方が変って、よく言われるよ」


