20歳と16歳じゃ、何気に年離れてるし。
ホストやるくらいなんだから、年上だとは思ってたけど。
やっぱり、彼はあたしとは違う気がするよ。
見てきた世界も、感じてきた想いも。
だからこそ、初めて電話をした日、あたしは彼に惹かれた。
もっと具体的に言うと、自分とは正反対な場所に立つ彼に興味を抱いた。
今回、響を頼ったのは都会に行きたかったのと同時に、響のことを知りたかったから。
単純に、今までの生活から逃げ出してここへ来れば、心境的な何かが変わるような気がしてた。
「本当に、ここに住んでいいの」
「今更、なに言ってんの。
ダメっつっても帰んないでしょ」
「それは、そうなんだけど」
膝を曲げて座り、その膝の上に顎を乗っける。
見上げると、響は窓のほうに視線を投げた。
「仕方ねぇから泊めてやるよ」
悪戯っぽく笑うと、 こちらを向いてさらに笑顔を咲かす。
視線が交差すると、照れたように人差し指で頬を掻いた。
「なーんて。
実は俺、自分んちに誰か入れたの初めてなんだよね」
「本当に?」


