『……』

ニコリと微笑み、そのまま小夜は立ち去ろうとして。

『いたっ!』

電柱に額をぶつけてしまう辺り、相当に狼狽してはいるようだった。

今度こそ。

『り、龍太郎君、またねっ』

小夜は動揺を隠し切れないまま去って行くのだった。