夏休みが始まって一ヶ月が過ぎようとしている。

今日も今日とて炎天下のもと、厨二病人外と共に補習を受けた龍太郎。

帰る時刻は午後5時を回っているのだが、夏の一日は日が長い。

傾きかけてはいるものの、太陽はまだまだビルの谷間に顔を隠しそうにはなかった。

…天神学生寮への帰路につく龍太郎の数歩後ろを歩くのは、暇なのか一途なのか、今日もストーカーよろしく補習の様子を覗き見していた小夜。

そんなに気になるなら、いっそ一緒に補習受ければいいのにと思うのは理事長だけか。